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お昼寝の時間に寝ない!こんな時どうする?

多くの保育園では、お昼寝の時間があると思います。
子どもにとっては体を休める大切な時間。
保育士にとっても、事務仕事をしたり休憩を取ったりと、とても貴重な時間だと思います。
でも、お子さんの中にはあまり寝ない子がいたり、静かに過ごすことが難しい子がいたりします。
そこで今回は、お昼寝の時間を子どもも保育士も快適に過ごすために「子どもがお昼寝をしない」時の理由と対策を考えていきたいと思います。

子どもがお昼寝の時間に寝ない理由

  1. 体が疲れていない
  2. 気分が興奮している
  3. 不快なことがある
  4. 家庭でも昼寝をしていない
  5. 隣の子と遊んでしまう
  6. 寝入ることが下手
  7. 午睡時間の大切さを理解していない
  8. 保育士にかまってほしい

それでは、それぞれの理由を詳しくみていきましょう。

子どもがお昼寝をしない時の理由と対策

①体が疲れていない

午前中にしっかり体を動かした日はよく眠り、1日中室内で過ごした日は全然寝ない…そんな経験をした保育士さんは多いのでないでしょうか。
子どもの午睡は、疲れた体を休めるためのもの。
子どもがすっと午睡に入れるかどうかは、午睡の直前だけでなく、朝からの全ての活動に影響されます。
どうしても午睡をしてほしい日は、午前の活動内容を動きの多いものにしてみてはいかがでしょうか。

②気分が興奮している

たとえ体が疲れていたとしても、気持ちが落ち着いていなければ眠りにつくことはできません。
興奮してしまう原因を取り除いてあげると、今までが嘘のようにすっと眠れるようになるかもしれません。
布団に入る1時間前くらいからのお部屋の環境を見直してみましょう。

 ・明るすぎるなら、照明を落としたりカーテンを閉めてみたり。
 ・うるさすぎるなら、やさしい声でお話しする約束をしたり、落ち着いて遊べるおもちゃを出してみたり。
 ・布団に入る直前には、やさしい声でお話をしたり絵本を読んだり。

落ち着いてお昼寝の時間を迎えられるようにしましょう。

③不快なことがある

暑すぎたり明るすぎたりしたら、大人でも眠れないですよね。
不快な内容としては、

 ・室温が暑すぎたり寒すぎたりする
 ・うるさい
 ・部屋が明るすぎる
 ・着ているものや寝具の肌触りが嫌だったり、重ね着をして締め付けられていたり。

乳児さんでは以下のようなことも考えられます。

 ・ウンチやおしっこでオムツが汚れている
 ・汗をかいて服が濡れている

不快なことを取り除いて気持ちよく眠れる環境を用意すれば、すっと眠れるかもしれません。

④家庭でも昼寝をしていない

幼児さんによくありがちなのが、園がお休みの日はおうちで昼寝をしていない、ということ。
子どもの生活は家庭と園とで途切れている訳ではなく、つながっています。
家庭で昼寝をしない習慣がついているなら、「園では寝なさい」というのは無理な話です。
中には「園では条件反射的に寝てしまう」というお子さんもいるかもしれませんが、家庭で昼寝をしなくなってきたお子さんは園でも寝ない傾向があると思います。

昼寝が必要な年齢なら家庭と連携を取り、おうちでも昼寝をするようにしてもらってもいいかもしれません。
4歳5歳になり午睡がなくても体力的に大丈夫になってきたら、園での午睡時間は昼寝ではなく休息と捉えて、静かに寝転び体を休めるように伝えてもいいかもしれませんね。

⑤隣の子と遊んでしまう

これ、保育園など集団でのお昼寝の時によくありますよね。
隣の布団に仲良しの友だちがいると、ついついおしゃべりをしたり遊び始めてしまうことも…。
保育士にとっては困ってしまうことですが、大好きな友だちと隣の布団にいる…子どもはワクワクしちゃいますよね。
説得できる年齢なら、「お友だちとお隣でうれしいよね。でも、他の友だちは眠たいのに、おしゃべりしている人がいたら眠れない。お隣でしゃべりしてしまうなら、離れたところに布団を敷かないといけなくなっちゃう。これからもお隣に布団を敷けるように、静かにできるかな?」と、「眠たい子もいること」「仲良しの友だちと隣に布団を敷くことは問題ないけど、他の子が眠れないような状況を作ってしまうことは困る」ということを伝えてみると、子どもなりに考えて静かにしようとするようになるかもしれません。

乳児さんで説得することが難しい場合は、落ち着いて眠れるような配置に布団を敷くとスムーズですね。

⑥寝入ることが下手

すっと眠れる子もいれば、中には眠たくても眠るまでに時間が時間がかかってしまう子もいます。
その場合、寝入るまでのルーティンを作ってあげるといいかもしれません。
例えば、「決まった絵本(短めのもの)を1冊読む」「決まった音楽(オルゴールなど)をかける」「髪の毛をくしでとかす」「ハグや握手をする」などです。
そのポイントは、

 ・再現性が高いもの
 ・いつでもできること
 ・簡単にできること

「この先生が休みだとできない」「お昼寝の時間がずれてしまうとできない」「時間がかかる」ようなルーティンだと、昨日はできたけど今日はできない…という状況になってしまい、逆効果です。
なるべく特定の人に依存しない、簡単にできることを選ぶといいですよ。

また、体をやさしく触ってもらうと寝入りやすくなる子もいます。
「どこを」「どのように」触ってほしいかは子どもによって異なるので、おなかをトントンしたり、足をさすったり、頭をなでたり…手を握って温めたり、目をつぶるようになでたりも効果的です。
いろいろ試してみてください。

⑦午睡時間の大切さを理解していない

これは、体力がついてきて午睡時間が短くなってきた子どもにありがちです。
「先生に言われて布団にはいったけど、ほんとは寝たくないのに…」と、布団の中で手遊びしていたり何度も寝返りを打ったり…寝入るのが遅くて寝起きも悪くなってしまうこともあります。

そのような場合は、「お昼寝したり体を休めないと、夕方に疲れて遊べなくなっちゃうよ」「眠っても体は元気になるし、横になって目をつむるだけでも元気になれるんだよ」と午睡時間にゆっくりすることの大切さを伝えていきましょう。

⑧保育士にかまってほしい

午睡時間に子どもが寝ずに騒いでいると、保育士は対応せざるを得ません。
時には注意になる場合もあります。
実は、それを求めて寝ないという場合もあるのです。

どの子も、大人にかまってほしいという思いを持っています。
しかし、その思いを普段はうまく表現できず、なんだかもやもや…。
そんな中、「(午睡時に限らず)騒いだりいたずらをしたら先生がかまってくれた!」という経験をすると、それが良い関わりでないにしても保育士との関わりを求めて、わざと保育士が困ることをすることがあります。

こういう場合は小手先だけでは解決できません。
ステップを踏んで解決していくことが必要です。

 ①保育士が困ることをしていない時にこそしっかり関わり、普段から「大好きだよ」「あなたのことを見ているよ」と伝え続ける。

 ②普段から「ありがとう」をたくさん伝える。

 ③午睡時、「静かにしている」「寝かしつけの順番を待ってくれた」など小さなことでもいいので、適切な行動をしていたらすかさず「ありがとう」を伝える。子どもの行動の後すぐに伝えることがポイントです。

 ④午睡時には、毎日必ずトントンするなど短くていいので触れ合う時間を作る。

子どもも本当は、大好きな先生が困ることなんてしたくないのです。
気持ちが満たされれば、次第に保育士が困る行動も減ってくるかもしれません。
普段から子どもの気持ちが満たされるような愛情の伝え方をできればいいですね。

まとめ

以上、子どもがお昼寝をしない理由と対処法を考えてみました。

午睡時間は子どもにとって大切な休息の時間です。しっかりと体を休めることができるようにしてあげたいですね。

それと同時に保育士にとっても貴重な休憩や作業の時間なので、子どもを眠らせることや静かにさせることにどうしても意識がいってしまいがちです。
乳幼児期の子どもにとって休息は大切ですが、どのような休息(睡眠・横になるだけなど)が必要か、どれくらい必要かは子どもによって異なります。
また、5歳児は進学も視野に入れる必要もあるでしょう。
園の方針や仕事量にもよりますが、子どもも保育士も過ごしやすい午睡時間になるといいですね。

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meruru
保育士です。 保育って楽しいけどしんどいこともたくさん。 でも、知識やスキルを身につけることで「しんどい」は減らすことができる。 読むと保育がちょっと楽になる、そんなブログを作っていきます。 〇経験園→幼稚園・こども園・保育園 〇経験年数→15年 〇免許・資格→幼稚園・小学校・特別支援学校教諭、保育士